前回の記事では、比較的軽めの北マケドニア料理と飲み物をご紹介しました。
この記事ではより本格的な伝統料理についてご紹介したいと思います。
前回は見た目的にもジミなものばかりでしたが、本記事で紹介するのは色とりどりで、目でも楽しめるものが多いです。
なお今回も、中には北マケドニア料理というよりバルカン半島や東欧全般で食されるものも含まれています。
特においしかった料理については食べられるお店も書いておきました。北マケドニアに行く時はぜひご参考にしてください。
テレーシュカ・チョルパ(Teleska Corba)
テレーシュカ・チョルパは牛肉と野菜のスープ(チョルパはマケドニア語で「スープ」を意味します)。
通常は次節で説明するマカロと焼きたてのパンと組み合わされます。
私が一番好きだった北マケドニア料理でした。多くのレストランで食べられますが、どこで食べてもハズレがなかったですね。
※ またこれかよと思ったそこのアナタ。いつもブログ読んでいただきありがとうございます(_ _)
マカロ(Makalo)
マカロは伝統的なガーリックソース。パンを漬けて食べます。
最も基本的なタイプは、ニンニク、温かいオイルまたはバター、ワインビネガー、お湯、塩を木製のボウルに入れてよく混ぜて作ります。 パセリのみじん切り、唐辛子、クルミ、牛乳、ヨーグルトを加えることもあります。
パン付きでだいたい50デナリ(≒ 133円) くらいで食べることができます。
タヴチェ・グラヴチェ(Tavche Gravce)
タヴチェ・グラヴチェは、豆を玉ねぎ、油、塩、クミン、唐辛子などの調味料とともに煮込んだ、北マケドニアの郷土料理。
伝統では通常は金曜日のランチとして用意されます。
豆を暖かく保つために伝統的な陶器で提供されるのも特徴的。
パンと一緒に食べるのが一般的ですが、マケドニア人はソーセージやパプリカと組み合わせて食べたりするようです。
写真はビトラの「RAVENNA」で注文したタヴチェ・グラヴチェ。唐辛子の辛みが良い具合に効いていて一番おいしかったのがここでした。パン付きで190デナリ(≒ 504円) 。
RAVENNA
所在地:Shirok Sokak 89, Bitola
セルスコ・メソ( Selsko meso, селско месо)
「田舎風の肉」という意味のセルスコ メソ。
玉ねぎ、マッシュルーム、スパイス、トマト、スモークした豚肉や牛肉で作られ、伝統的な陶器で提供されます。
食べられるレストランの数は多いものの、そのバリエーションは千差万別。
一番気に入ったのが、オフリドの「BOEM」のセルスコ・メソで280デナリ(≒ 743円) 。とろみのあるスープが絶妙に美味しかったですね。
BOEM
所在地:Boulevard Turistichka 75, Ohrid 6000
次点はビトラのレストラン「TREFF」のセルスコ・メソ。
オフリドの「BOEM」のセルスコ・メソを食べるまでは、個人的に暫定一位でした。300デナリ(≒ 796円) 。
ムチカリッツァ(Muckalica)
セルビアと北マケドニアの伝統料理であるムチカリッツァ。
大量の肉をトマト、パプリカ、玉ねぎなどと一緒に煮込んだ料理です。肉をふんだんに使うためお値段は少々高め。
写真はオフリドのレストラン「ARIS」のムチカリッツァ。パンが付いて500デナリ(≒ 1,327円) 。北マケドニアの食事にしてはかなり高いですが、その価値ありの味でした。
こちらはオフリドの別のレストラン「Antica」で注文したムチカリッツァ420デナリ(≒ 1,115円) 。
ただし、先のARISの店主に写真を見せたところ、
「スープにも浸っておらずチーズも乗っていない。これはホンモノではない」
とのこと。
BOEMの方の写真をよく覚えておきましょう(笑)
トペノ・スィレーニエ(Topeno Sirenje, Топено сирење)
カッテージチーズの上にチェダチーズを乗せ、オーブンで焼いた料理。「SIRENJE VO FURNA(スィレーニェ・ヴォ・フルナ、cheese in ovenの意味)」と言われることも。
レストランでは通常、ゴマをまぶしたサクサクの焼きたてのパンが添えられます。
初めて見たときは「チーズonチーズかよ」と面喰うと思いますが、
量が“常識的”なため意外とイケます。
サロマ(Sarma)
サロマは発酵させたキャベツでご飯やひき肉などを巻いたロールキャベツの一種。
ひき肉の代わりに米とネギがを使った「ベジタリアンバージョン」もあるとか。
一口サイズではあるものの、中身がギッシリと詰まっているので、見た目以上に重いです。
基本的には冬の料理ですが、夏に食べる場合は、発酵キャベツの代わりにブドウの葉を使い、通常はサワークリームが添えられます。
オスマン帝国にルーツを持ち、バルカン半島、中央ヨーロッパ、南コーカサス、中東でも食べられているそうです。
ショプスカサラダ(Shopska salad)
ショプスカサラダは、トマト、ピーマン、きゅうり、玉ねぎの上に、フェタチーズ(羊や山羊の乳から作られるギリシャ原産のチーズ)、オリーブ オイル、塩をかけたサラダ。どのレストランでも食べられるポピュラーなサラダです。
しかし北マケドニア人は本当にチーズがお好きですね。
ムサカ(Musaka, Moussaka)
説明の難しい料理がこのムサカ。
バルカン半島やエジプトなどで食されており、レシピは多岐に渡りますが、北マケドニアのムサカは、牛ひき肉とジャガイモで作られることが多いようです。
ポルネチ・ピぺルキ(Polneti Piperki)
ポルネチ・ピぺルキは、ピーマン(またはパプリカ)の上部を取り除いてひき肉とご飯を詰めた後、オーブンで焼いた料理。
基本的にあまり量は多くないので1食としては物足りないかもしれません。
北マケドニアは料理によってこの量にバラつきがあるんですよね…。3カ月滞在しましたが、結局コツをつかむことができませんでした。
なにせシーザーサラダでもこんなに多い時がありましたからね。誰がこのボリュームを想像できるでしょうか?(笑)
チョムレク(Chomlek)
チョムレクは子牛肉、玉ねぎの球根、ニンニクから作られる伝統的な北マケドニアのシチュー。
具材には唐辛子、人参、トマトピューレ、パセリ、キノコなどが入っており、レシピに応じて赤ワインか白ワインが加えられます。
素朴な味付けの多い北マケドニアの伝統料理にあって、チョムレクだけは例外的ともいえる非常に濃い味。
トライする際はできるだけ空腹にしてからにしましょう(笑)
【レア】コンピル・マンジャ(Kompir Mandza)
ジャガイモ、肉、パセリ、トマト、玉ねぎ、ニンニク、人参が入ったポテトシチュー。
調理に時間がかかるようで、あまり見かけることはありません。
またメニューに用意されていても、2~4人以上からの注文のみ受け付けているところもあるので、一人でも注文できるレストランを見つけたら“即買い”ですよ(笑)
味はボルシチに似てますが、トマト味をより控えめにした感じです。
読み返して思いました…
単にスープ的なものであれば「美味しい」と言ってなくね?と(笑)
もしかしたら乾燥しがちな大陸性気候がそう感じさせるのかもしれませんね。
何はともあれ、北マケドニア料理についてはあまり情報が出回っていないので調べるのに苦労しました。北マケドニアに行く際は、ぜひご参考にしていただければと思います。
それでは、「Bon appetite!(ボナペティート!召し上がれ)」
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