日本人にはほとんど馴染みのない北マケドニア料理。
私は3ヵ月の滞在期間中ほぼ毎日外食していたこともあり、多種多様な北マケドニア料理に出会うことができました。
そこで今回から2回に分けて、北マケドニアの伝統料理やご当地ものをご紹介したいと思います。
1回目の本記事はパン、軽食、飲み物編です。
中には北マケドニアだけの料理というより、バルカン半島や東欧全般で食されるものも含まれていますがご愛敬。
それでは早速見ていきましょう。「Bon appetite!」(ボナペティート!召し上がれ)
パン系
ゼルニク(Zelnik)&ブレク(Burek)
キャベツを意味する「ゼルジェ」という言葉に由来する「ゼルニク」。
その名の通りゼルニクは、伝統的にはキャベツ (またはザワークラウト) とチーズが入った薄い生地で作られるマケドニア料理です。
扇状の形をしており、一辺は15cm程度、厚みも3㎝以上あるので見た目以上にヘビーな一品。
近年では、卵、ひき肉、ネギ、スイレン、米などが入ったバージョンも出てきているようです。
通常は温かい状態で提供され、
- ヨーグルト
- アイラン(ヨーグルトに水と塩を混ぜた飲料)
- ケフィア(コーカサス地方に起源をもつ発酵した乳飲料)
などと一緒に食べるのが北マケドニア流。
ちなみに似たような料理に「ブレク」があります。
ブレクはひき肉、ホワイトチーズ、ほうれん草などを詰めたペイストリー。
元々はトルコの伝統料理のため、オスマン帝国の一部であったバルカン諸国で見られます。
通常はヨーグルトと一緒に食べるのも、ゼルニクと同様。
門外漢には区別がつきませんが、ゼルニクがブレクと違うところは、
- 主にキャベツが入っている
- 層が薄い
- 通常は休日や重要な行事のために準備される(とはいえ、通常のベーカリーでいつでも買える)
という点のようです。どちらが最初に登場したかについては諸説あると言われています。
味はブレクもゼルニクもほとんど同じなので、せっかく北マケドニアに来たのなら、北マケドニア料理のゼルニクを食べないともったいない!
パストルマリヤ(Pastrmalija)
北マケドニア風ピザともいうべき「パストルマリヤ」。
楕円上の焼いた生地の上に、塩漬けにした豚肉や鶏肉をさいの目に切ってトッピングした料理です。
肝心の味は…私の未熟な舌では普通のピザと区別がつかず。一度食べたきりで“お役御免”となりました。
一般的にピザ1枚よりも小さいので、そこまで空腹ではないけどピザ系のものを食べたくなった時に手を出すくらいでいいと思います。
ちなみに北マケドニア東部にあるシュティプ市では、毎年パストルマリヤの祭典「パストマリジャーダ(Pastrmalijada)」が開催されています。
薬味系
ピンジュル(Pindjur, пинџур)
ローストしたナス、トマト、ピーマン、タマネギ、ニンニク、オリーブオイル、塩、胡椒から作られる薬味・調味料です。
主に夏場に食されます。
アイバル(Ajvar)
ローストした赤ピーマン、パプリカ、植物油から作られる調味料の一種。ニンニクや唐辛子が使われることもあります。
アイバル作りが最も盛んになるのは、原料のパプリカが最も手に入りやすい秋の半ばだそうです。
日本ではなかなか手に入らず、保存も効くのでお土産に最適ですね。スーパーで簡単に買うことができます。
軽食&お菓子
メキチ(Mekici)
メキチは北マケドニアの揚げドーナツ。日本の揚げパンのような食感ですが甘味はそこまでありません。
赤ちゃんが生まれると、祖母が新生児のためにメキチを作るという伝統があるようです。
小腹がすいたときに食べるのにぴったりです。脂っこいのであまり量は食べられませんが。
ボンビッチ(Bombici)
「ミニチュア ボム」を意味するボンビッチ。
ナツメヤシ、アーモンド、イチジク、ココアパウダーで作られる一口サイズのお菓子です。 外側は濃厚なチョコレートガナッシュとココナッツフレークで覆われています。カフェなどに売っています。
飲み物編
スコプスコ(Skopsko、Скопско)
北マケドニアの定番中の定番ビールと言えばスコプスコ。
1924年設立のスコピエ醸造所(Skopje brewery)のビールで、北マケドニアのビール市場では60%のシェアを占めています。
お酒をほとんど飲まない私…中でもビールは最も苦手な部類です。
一応好奇心から飲んでみましたが、正直なところ味の良し悪しはよくわかりませんでした。ただ飲みやすいビールだとは思いましたね。
ラキヤ(Rakija)
バルカン半島で広く飲まれている蒸留酒のラキヤ。
度数は最低でも40%はあり、寒い冬にぴったりのブランデーです。
温暖な気候の地域ではブドウから作られ、寒冷な気候の地域ではプラム (または桑、サクランボ、クルミ) から作られるのが一般的です。
ラキヤは細菌やウイルスを殺すことができるとされており、「のどの痛み」「風邪」「筋肉痛」などの症状を緩和するためにも飲まれています。
それ以外にも傷の消毒や家の掃除にまで使われるというから驚き。
同じ宿にいたイタリア人宿泊客によれば、イタリアではコーヒーに入れて飲む習慣があるそう。地域ごとにいろんな飲み方があって面白いですね。
ガゾザ(Gazoza, Газоза)
ガゾザは北マケドニアで広く飲まれるノンアルコール炭酸飲料。
洋ナシをベースにした独特の香りがあります。
ストルムカ(Strumka)というドリンクもありますが、ほぼ同じ味です。コーラとペプシみたいな関係でしょうか。
【番外編】北マケドニアのハンバーガー
最後に北マケドニアのハンバーガーについて少々。
北マケドニアにはハンバーガーショップがかなりありますが、日本のマ〇ドナルドのようなケチ臭いハンバーガーを想定していると痛い目に遭います(笑)
というのも北マケドニアのハンバーガーはほとんどの場合で直径15cmはあり、パティも分厚く歯ごたえがあるからです。
何より特徴的なのは、フライドポテトが大量に盛られていること。
もはや“本体”が隠れてしまっていますね。初めて注文したときは、どう食べればいいかわからず途方にくれることでしょう(笑)
一緒についてくる楊枝でまずはフライドポテトだけを頂き、物理的にかじりつけるようになったらポテトもろともバーガーにかぶりつく。現地の人を観察していると、この食べ方がお作法のようです。
ちなみに一番おすすめのハンバーガーチェーンは「Teteks」。1970年創業の老舗チェーンです。
国籍問わず、誰もが口をそろえて美味しかったというので、味は間違いないですよ~。
それでは第一回目の北マケドニア料理特集はこのへんで。
第二回目は「ガチ勢」が控えています。より本格的な北マケドニア伝統料理をご紹介していくのでお楽しみに!
コメント
コメント一覧 (2件)
時々読ませてもらってますよ。世界の車窓から見たいでおもろいね♪
安全と健康には気をつけて、充実した旅を続けてください(^^)
コメントありがとうございます。
来週からアルバニア、その後はモンテネグロに行く予定ですので、記事の方も楽しみにしていてください!