以前、北マケドニア料理についてご紹介しました。
なぜか好評いただいたようで、アクセス数の稼ぎ頭になっています。
というわけで今回はアルバニアの伝統料理やご当地の食べ物についてご紹介したいと思います。
アルバニアに2か月滞在してほぼ毎日のように外食していた私。
その印象では、アルバニアという土地柄ピザやパスタなどのイタリア料理が70%を占め、残り30%が伝統料理といったところでした。
伝統料理も他のバルカン諸国と同様、ブレク、チョフテ、ケバブ、ヤプラク、ラキといったオスマントルコに由来するものが多いです。そんな中、数カ月の滞在の甲斐あって、私はアルバニア独自の伝統料理を見つけることができました。
本記事では他のバルカン諸国でも食べられる料理は省略し「アルバニアでしか食べられない」料理に厳選してみました。
どうせならアルバニアユニークな料理にトライしてみたい方にはご参考にして頂けると思います。
スフラキ(Sufllaqe)
アルバニアでバーガーと並んで最も一般的なファーストフード。
ドネルケバブ、トマトやレタス、フライドポテトをピタ(パン)で巻いたもので、ザジキがかかってます。
ザジキ(Xaxiq)とは羊やヤギから採れた野菜入り水切りヨーグルト。他の料理のつけ合わせとして単品で頼むこともあります。
「Sufllaqe e hapur」「Racion Sufllaqe」といったメニューで開いた形で提供されるバージョンも。
ちなみに似たようなファーストフードに「ジロ」があります。
肉が薄ければスフラキ、ゴロっとした塊であればジロと書かれている情報がありますが、私が見た限りではあまり区別しているようには思えませんでした。
とはいえジロはセルビアやモンテネグロでもよく見かけますので、どうせならスフラキを食べる方が良いでしょう(笑)
ファルジェサ(Fergesë)
ファルジェサは、ピーマン、玉ねぎ、トマト、カッテージチーズまたはフェタチーズ、バジル、バター、小麦粉を土鍋で混ぜてオーブンで焼き上げた料理。
首都のティラナが発祥とされています。
実は2~3時間ほど寝かせて冷ましてから食べると一番おいしいという理由で「サマーシチュー」とも呼ばれているとか。
Airbnbなどで民泊する場合は試してみるのもいいかもしれません。
パチェ(Paçe)
子羊または山羊の頭部を使った伝統的なアルバニアのシチューです。
英語表記で「Brain」と書かれていることがあり、ゲテモノの類かと思わず期待してしまいますが面喰ってしまいますが、ご安心ください。あくまでも頭の肉を使っているだけであり、脳ミソではありません(笑)
シチューはバター、小麦粉、ニンニク、トマトソースから作られます。
パンを漬けて食べるとなかなかの美味です。
タスチェバプ(Tasqebap)
タスチェバプは牛肉とパプリカをブイヨンスープで煮込んだビーフシチュー。
レモン汁が入っていて少し酸味が効いています。
こちらもパンを漬けて食べるか、ピラフと一緒に食べるといいです。
タヴ系三兄弟
タヴ(Tavë)とはアルバニア語でキャセロールや鍋を意味します。
「タヴ系三兄弟」とは私の造語ですが(笑)、タヴ~という料理と何度も出会ったので、ここでまとめておきます。
タヴ・コーシ(Tavë Kosi)
タヴコーシは子羊の肉と米を味付けし、伝統的にはヤギまたは羊から作られたサワーミルク(kos)をかけたキャセロール。15世紀のアルバニア中部の街エルバサン発祥の料理です。
現在のタヴコーシは元々の料理とは少し違い、サワーミルクの代わりにヨーグルトと卵で作られたソースをかけるようです。
独特の酸味あり、日本ではまず出会わない味だと思います。
私が滞在した中では世界遺産の街ベラトのレストランでよく見られました。
タブ・ゼウ(Tave Dheu / Fergesë me Mëlçi)
羊や牛のホルモン、玉ねぎ、パプリカ、小麦粉を炒め、さらに水、フェタチーズ、オリーブ油などを加えてオーブンで煮込んだ料理。
ホルモンの量が尋常ではないので、かなり好き嫌いが分かれるでしょう(笑)
タヴ・クラピ(Tave Krapi)
「クラピ(Krapi)」とは鯉のことで、シュコダル湖で採れる鯉を使った伝統料理。
(※もしかしたらシュコダル湖産でなくても鯉を使ったタヴ料理全般を指すのかもしれませんが…)
カレーのような見た目ですが辛くはなく、淡水魚の苦みと甘みが混ざったようなシチューです。
シュコドラ湖の南にある「B7 Zogaj」というレストランでいただきました。1000レク(≒ 1,668円 ) 。
鯉については他にもフライにする料理がありましたが、伝統とされるのはこのタヴタイプの方だそうです。
シュコドラ湖周辺以外ではまず食べられないと思いますので、見つけたらぜひトライしてみてください。
ジロカストラの郷土料理2選
アルバニア南部の世界遺産の街ジロカストラの郷土料理をご紹介します。
2か月半かけてアルバニアを一周した私ですが、ジロカストラ以外で見つけることができなかった2つです。ジロカストラに行かれたときはぜひ食べてみてください。
チフチ(Qifti)
チフチとは、お米・ハーブ・チーズを混ぜて揚げた、アルバニア版の焼きおにぎりともいえる料理。
米料理と言えばほぼリゾットというアルバニアにあって、カリッとした触感の米料理は珍しくなかなか美味しいです。
1食分で200~300レク(≒ 500円 ) 程度です。
シャプカット(Shapkat)
シャプカットはコーンフラワー、オリーブオイル、ネギ、牛乳などを混ぜて作ったトウモロコシのキャセロール。
一緒に添えられるヨーグルトをつけて食べます。
通常はフェタチーズとほうれん草が入っていますが、ネギやキャベツなどが入っているパターンもあります。
ジロカストラの見どころについては次の記事にまとめています。ご興味があればこちらもご一読ください。
メザ(Mezë)
メザはトウモロコシでできたお粥を煮詰めたような料理。
日本語でも英語でもビックリするくらい情報がないのですが、れっきとした郷土料理。地元の方に聞いたので間違いありません。
見た目によらずかなりの密度と重量があり、腹持ちも良いです。
私が滞在した中では、アルバニア北部の山岳地帯の集落(テスとバルボナ)でしか見られませんでした。
これだけで食べるのは不可能と言えるほど味がないので(笑)、ジャムやはちみつと一緒に食べましょう。だいたい200~300レク(≒ 500円 )程度です。
ペチュラ(Petulla)・アルバニアンパイ
パイというものの、サクサクとした揚げドーナツのようなお菓子。
甘味があるわけでもなく、フェタチーズやハチミツなどを付けて食べます。
軽食ですが、この量を全部食べれば一食分くらいの満腹感は得られます。栄養はほとんどないと思いますが…
アルバニア料理を一覧表にしておいたよ♪
最後にここまでご紹介したアルバニア料理を表にまとめておきました。この表をスクショして随時参照していただければ“取りこぼし”防止にもつながるはず(笑)
ぜひご活用ください!
料理名 | 概要 | 備考 | |
---|---|---|---|
スフラキ | Sufllaqe | ファーストフード | ジロ(Giro)とほとんど一緒 |
ファルジェサ | Fergesë | チーズと野菜を焼いた料理 | 冷やすと旨いらしい |
パチェ | Paçe | 頭の肉スープ | 非ゲテモノ |
タスチェバプ | Tasqebap | 牛肉とパプリカのブイヨンスープ | |
タヴ・コーシ | Tavë Kosi | 子羊の肉と乳の キャセロール | |
タヴ・ゼウ | Tavë Dheu | ホルモンのキャセロール | |
タヴ・クラピ | Tavë Krapi | 鯉のキャセロール | |
チフチ | Qifti | 米とハーブの焼きおにぎり | ジロカストラ郷土料理 |
シャプカット | Shapkat | トウモロコシのキャセロール | ジロカストラ郷土料理 |
メザ | Mezë | トウモロコシ粥(超濃縮) | 味がない |
ペチュラ / アルバニアンパイ | Petulla | 揚げドーナツ |
コメント
コメント一覧 (2件)
数ヶ月前のことですがアルバニア料理懐かしいです。
私はベラトのÇuçiってレストランにはまって滞在中ほぼ毎日通いましたました。冷房が効いてる清潔な店なのにおいしくて安いんですよ。個人的にはアルバニアNo.1レストランですね。
いつもコメントありがとうございます!
Çuçi、私も行きましたよ~。タヴコーシの一枚目の写真はÇuçiのものです。
私はタヴコーシ自体があまり好きでなかったのでその一回キリでしたが…アルバニアで一番とは大絶賛じゃないですか(笑)