アルメニアの国内移動は主にマルシュートカ(ミニバス)や鉄道を利用することになります。
しかしマルシュートカは人がすし詰め状態で乗っていたり、エアコンも効いていないことが多いのであまり快適とは言えません。“乗車率”の高さゆえ、大きな荷物を抱えている場合は載せることができるのかといった要らぬ心配も出てきます。鉄道にも本数が少ないなどのデメリットがあります。
正直どちらを利用するのも気が進まない・・・今回はそんなあなたに朗報です。
「イェヴイェヴ(և՛և՛)」を使いましょう!
アルメニア北部にある同国第三の都市ヴァナゾルを拠点とする、2018年設立のタクシー会社。「And comfortable and affordable(快適でお手頃)」を標榜しており、イェヴイェヴは英語で「and and」の意味。
この会社の良さは、同社のスマホアプリから格安のシェアタクシーを予約手配できること。実際に私はエレバンからギュムリまでの約100キロをイェヴイェヴを使って移動しました。
その料金、わずか1500ドラム(≒ 598円 )!まさに神アプリです。ダウンロードはこちら(無料)↓
Yev Yev
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この記事ではそんなイェヴイェヴについてご紹介したいと思います。私は偶然このサービスを知ることができたのですが、現地の人でも20%くらいしか知られていない穴場サービスです。
この記事を読むことで次のことがわかります。
- イェヴイェヴの長所と短所
- 実際の利用方法
もちろん日本語での紹介記事はこれが初。英語でも私が調べた限りでは情報がありませんでしたので、ぜひご一読を。
イェヴイェヴの長所
2022年6月現在、イェヴイェヴでは首都エレバンと地方都市(ギュムリ、ヴァナゾル、イジェヴァン)をつなぐ3つのルートが用意されています。それぞれの往復分を数えて全部で6つの中から選択します。
料金(ドラム) | 出発地 | 降車地 | 出発時刻 | |
---|---|---|---|---|
①エレバン→ギュムリ | 1500 | Baghramyan 84/1 | 自由 | 8~22時、約1時間毎 |
②ギュムリ→エレバン | 1500 | 自由 | Baghramyan 84/1 | 6~19:30時、約1時間毎 |
③エレバン→ヴァナゾル | 1500 | Kievyan 26 | 自由 | 8~22時、約30分毎 |
④ヴァナゾル→エレバン | 1500 | 自由 | Kievyan 26 | 5~19時、約30分毎 |
⑤エレバン→イジェヴァン | 1800 | Khachatur Abovyan 36 | 自由 | 8~22時、約30分毎 |
⑥イジェヴァン→エレバン | 1800 | 自由 | Khachatur Abovyan 36 | 6~19時、約30分毎 |
これを踏まえ、ここでは私がイェヴイェヴをイチオシする理由をまとめたいと思います。
出発時刻と出発地・降車地が指定できる
まず手配の自由度の高さが最大の長所でしょう。
- 出発時刻が選べる
出発地によりますが、早くは5時から遅くは22時までの時間帯から選ぶことができます。 - 出発地と降車地も地図から自由に選べる
(ただしエレバン以外)
固定価格で、鉄道並みの安さ
これほどの自由度がありながら、価格が鉄道並みというのも大きなメリット。先述の通りエレバン→ギュムリなら1500ドラムでした。
旧ソ連圏で一般的に使われるタクシー配車アプリ「Yandex Taxi」を使っても、エレバンの空港からエレバン市内まで1600ドラムでしたので、それとほぼ変わらない価格。信じられないコスパの良さです。
ちなみにYandex Taxiはいわば旧ソ連圏版のウーバーといったところ。以下のアプリ「Yandex Go」で手配することができます。
Yandex Go — taxi and delivery
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Yandex Taxiは一般的なタクシーと同じく1km100ドラムが相場。
流しのタクシーに乗る際にボッタクられないためにも覚えておきましょう!
タクシーなので快適
もちろんタクシーなので快適この上なし!エアコンも効いています。
「And comfortable and affordable」の標語に嘘偽りはありませんでした(笑)
エレバン→ギュムリルートでは途中一回だけ休憩もありましたし。
キャンセルが直前まで可能(未確認)
イェヴイェヴはアプリを使って予約するのですが、出発直前までキャンセルが可能のようでした。
少なくともキャンセル料の表示はありませんでしたし、クレジットカードを登録することもできないのでキャンセル料の請求はないと思われます。
ただこの点は未確認であることはご留意ください。
イェヴイェヴの短所
対応都市が少ない
都市の選択肢が少なさが最大の短所だと思います。
乗車地や降車地として選べるのはエレバン、ギュムリ、ヴァナゾル、イジェヴァンの4都市のみ(2022年6月現在)。しかもすべてエレバンに発着するルートのみなので、ギュムリ→ヴァナゾルのように地方都市間を移動する際には使えません。
4人以上に限り個人手配もでき、他の都市へも移動できそうですが、試したことがないので詳細はわかりません。
エレバンのみ出発地・降車地が決まっている
またエレバンに限り発着地点が決まっており自由に選ぶことができないのも少々デメリット。この発着地点は3つのルートですべて異なっていることにも注意が必要です。
現金払いのみ
2022年6月現在、支払方法は現金のみでした。
あらかじめアプリからクレジットカードができ、オンラインで決済が完結できればさらに便利さは増すので今後に期待ですね。
イェヴイェヴの使い方
簡易的な説明で恐縮ですが、イェヴイェヴの使い方をまとめておきます。
まず下準備として、SMS受信ができるSIMカードが必要になります。
これは次から説明するイェヴイェヴのアプリでユーザー登録する際、SMSによる本人確認が必要なため。
アルメニア現地のSIMカードを購入するか、世界中で使えるグローバルSIMカード(ただしSMS受信が可能なもの)を用意しましょう。
インストールする際、ユーザー登録の画面が出てくるはずです。
このときSMSによる本人確認のための電話番号の入力が必要です。
画面を進めると、SMSによるアクティベーションコードが送られてくるので、それをアプリに入力します。
これで登録が完了しました。
アプリから予約します。
- 先述のあらかじめ決まったルートから選ぶ
- 個人手配する(最低4人以上)
の2パターンあるようですが、後者については試したことがないので詳細はわかりません。
前者の場合は、以下の情報を指定していきます。
- Number of Passengers:乗車人数
- Month Day Year:出発日
- Hours:出発時刻
- Choose option:出発地(エレバンは固定。それ以外は右のマーカーをクリックすると地図から選択)
- Address to :降車地(同上)
最後に「CONFIRM」をタップして予約完了です。
予約完了後は、左メニューの「My order」から内容をいつでも確認することができます。
予約当日は、予約時に指定した場所へ行きます。
エレバンから乗る場合はスタート地点となります。先ほどの予約確認画面の一番下の「Driver」にタクシーのナンバーと車種、ドライバーの電話番号が載っているので、該当のタクシーを探しましょう。
見つからなくても出発30分ほど前にはドライバーから電話がかかってきます。
他の都市から乗る場合はタクシーが来るのを待ちます。この場合もおそらく到着する前にドライバーから電話が来ると思われます。
ギュムリルートにおける、エレバンの発着地点「Baghramyan 84/1」は↓の写真のような場所でした。エレバン出発の場合はこの付近から該当のタクシーを探しましょう。
手前に写っている黒いタクシーが実際に私が乗ったもので、出発時刻になるとすぐに出発しました。
予約していた降車地で降ろしてもらい、現金で料金を払って完了です。
正直なところこの配車サービス全体の仕組みはよくわかっていません。私の場合は満席でしたが、シェアタクシーなので仮に1人しか乗客がいない場合はどうなるのかなど、不明な点は多々あります(笑)
ですが車中の快適さといい自由度の高さといい、満足度の高さはピカイチでした。
皆さんもアルメニアの国内を移動する際はぜひ使ってみてください!
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